いつか、なのか、







いつか、なのか、





正月に会えないほど、真選組の仕事が忙しくはないということは結構前から知っていた。テロリストだって日本人だ。正月くらいおとなしくしておこうという気遣いなのか潔癖なのか、けじめなのか。どれにせよ、昨年や一昨年の正月三が日に、沖田や近藤や山崎に鉢合わせたことがある。から、そういうものだと知っている。
ただ、土方自身がそういう晴れの日に、わざわざ休みを取ることを、どこかで悪いと思ってるふしがある。本人に聞いたことなどないけれど。万事屋も定休なんてあってないような仕事なので、会う時に今さら困ることもないが、正月と盆くらいは休みなのだ。そういう日だからこそ、いつだってどうぞ、と扉をあけていることなど土方は知らなくてもいいと思う。望んでもいないだろう、そんなことなんて。
平和なまま暮れていく三が日最後の太陽を、銀時はのんきな正月番組をBGMにして眺めていた。




六日の夜にもなればお節なんかとっくになくなってますし、お正月特番も終わって新番組がバンバンやっててまあいわばもう日常だよね、なんて思うと、そこにやってきた土方も日常なのかと思う。
銀時の布団に沈んだように眠る、その横顔を見ながら服を着て、銀時は台所に向かう。明日は七日だ。米びつの中身はまだちゃんとあったはずで、あとは水と塩程度なら心配しなくてもいい。


「正月気分なんて味わってなくてもまあ、これくらいは食べとくといいでしょって」


 独り言は夜更けのシンクに静かに満ちる。下ごしらえをされた七草は、ざるの中におさめられて、明日の朝、四人目の誰かに食べられるのを待っている。












--------------------------------------------------------------
13.01.06
冬インテで配布したペーパーに付けたSSでした。
イベントの次の日が七日だったので、七草粥。