07年10月から08年6月末まで使用していた拍手のログです。
銀魂(土銀、3Z沖神)と笛!(シゲ水)
°*.土銀*。 °
申し訳ないとか、それぐらいは思ったりするんだ
土方の部屋は障子の紙からもうタバコ臭いと、思う。
今ももうもうと広がる煙はもはや銀時の頭上を占拠して、
換気をしたって大して意味のない行為にしかならないだろう。
当の本人は無言でタバコをふかしながら、書類に筆を
走らせている。今日はオフだとか、嘘っぱちにもほどがある。
「土方、少しは休めよ」
「もう終わる」
ちびたタバコを灰皿に押し付け、きっぱりと言う。
そんなにはっきり言われるとこっちとしては黙ってるしか選択肢はない。
溜息をひとつ。
そして置いてあった最中を手に取りかじる。
咀嚼し、飲み込んだところで気づく。
こんな甘いもの、わざわざ用意したとしか、
(あーあ)
気づいてしまった俺の負け
「ごめんね?」
訝しげに振り向いた土方を横目で見て、
残りの最中にかじりつく。
素直にありがとうとか、言えたらいいんだけど。
好きも言えないんだから、それぐらいはとは思うけど。
申し訳ないぐらいは思ってんだよ、なんて。
紫煙はどんどん広がって、それすらも心地よいと
思う平日の午後。
。*.沖神°*.
馬鹿みたいに晴れて
窓際から二列目後方のこの席はなかなかに良い位置で、
晴れた日には心地よい風が入って、空がよく見える。
ただ、隣が沖田じゃなかったらもっと最高なんだけれども。
ぼんやりしながら神楽は黒板を見た。チョークの白い字は、
緑の平面を余すところなく覆っていて、もう写す気はおこらない。
後ろから見ていると、前方の生徒たちは三分の二が寝ている。
顔が見えないので、実際はもっと寝てるのかもしれないが。
なんとなく横に目を移すと珍しく沖田が寝ていない。
というかむしろ五限目に出ているのも珍しいのだけれど。
よく見ると、手を動かし何か作っている。先ほど回された
プリントのようだ。
指先で押し付けるように丁寧に折っていく。
(あ、紙ひこうき)
あっという間に立体になったそれを、沖田は手に持つ。
神楽の視線に気づいたのか、にやりと笑って手を窓に向ける。
すう、と青空を紙ひこうきが駆けた。
馬鹿みたいに晴れた空に白色が映えて、遠く光って見えた。
「よく飛ぶなァ」
沖田は軌跡を見送って、ふとこちらを見る。
「チャイナもやるか?」
「…これ来週で提出アルよ」
げ、と呟いて眉をしかめる。
「お前も黙って見てたし、共犯者でェ。コピらせろ」
「…いいヨ」
「どんな風の吹きまわしでィ」
驚いて、さらに眉をしかめた。いつも飄々としてるのに
今日はやけに表情があるように思う。
「紙ひこうき、きれいだったからアル」
弱い風が窓から髪を揺らした。沖田は何か言おうと
口を開いたが、間延びしたチャイムが鳴ってしまった。
明日も、晴れれば
。*.シゲ水°.*
表示は公衆電話
『あ、もしもしたつぼん?』
「なんでお前公衆電話からなんだよ」
いまどき公衆電話探すほうが難しいんじゃ。
携帯の電池切れそうやったから、とシゲは笑って、向こう側に
小銭を追加する音が聞こえた。
『真理子ちゃんの飯が食いたい』
「いきなりなんだよ、だいたいなんの用事なんだ?」
『今から行くし。真理子ちゃんと虎によろしゅう』
「はあ?」
『もう十円ないし切る!あとでな!』
がっしょん、と受話器のおりる音。状況把握に5秒。
「ったくあいつは!」
往来で携帯握って叫んだので、前を通った人に嫌にじろりと見られた。
今から急いで帰って、母と弟に報告すれば、きっと二人とも
喜ぶにちがいない。かくいう自分も内心、
うれしいのだけれど。
----------------------------------------
07.11.??
拍手ログ1。テーマは「平日昼間、そんな二人」
って、日記に書いたような気がするので、たぶんそれ。